花びら一つ、落ちる気持ち。
季節は初夏、5月だ。
暑い日がこれからやって来る。
眠っていた生命たちも本格的に活動し始める季節。
生命力が漲る夏も、もうすぐだ。
大人になるにつれて、思いつきでの行動は
しにくくなるなと実感する。
それが自分や人の気持ちに関わることだと尚更。
楽しいことに関してはいつでもフットワーク軽くいたいけど、
恋愛などに関しては楽しいだけじゃ動けない。
あたしには今付き合いたい人がいる。
無論、彼はそんなこと微塵も思ってないかもだが。
人の気持ちは移ろいで行く。
まさに季節と同じように。
あたしはそれを身をもって体現しているし、
実際に先々月まで想ってた人と現に好きな人は別だ。
なんとも儚いあたしの恋心よ。
趣味や価値観、楽しいと思うこと好きなもの
似ているとそれはそれは運命を感じるし
女心は極めて単純で、尚且つとても複雑だ。
あと、付き合いたいとか言っときながら
あたしはまだ彼の苗字すらしらないのだ。
そんなことある?
調子の良い甘い言葉に諭されぬよう
あたしは自分で壁を作り彼の城へ積極的に
攻めることはしない。怖いのだ、関係が終わるのは。
花びら一つが落ちていくように消える恋は嫌だ。
落ち切ってしまった後の虚しさと言ったら計り知れない。
ずっと咲き誇っていて欲しいものだ。
だがしかし、攻めないと守れないものもあって
それはどうしたらいいのだろう。
空想するばかりで現実に起きる確率なんて
0.0001%もないだろう、このままでは。
あたしはあたしをどこまで律したらいいのだろう。
彼はいつまでどこまであたしを好きでいてくれるだろう。
こればかりは、時間が経たないと分からない。
未来は見えない。
切り開くのも閉ざすのも今のあたし次第。
願いは一つ。
彼とあたしの距離がもっと近づいて
お互いがお互いを必要として
願わくば、一生一緒にいれますように。
なんとも間抜けで、ありきたりな願い。
でも願いなんて、それぐらいで丁度いい。