日日是好日

ただ、花のようでありたい

夏の終わり、纏う空気と憂鬱

 

 

夏が終わった。

短い短い、夏だった。

 

 

今年の夏も、満ち足りていたなと思える。

 

そう思える自分で良かった。

 

 

 

選び間違たかもしれない道のことを考え続けるよりも、

やらなきゃいけないことは沢山ある。

 

 

沢山あって、良かった。

 

 

 

夏の夕暮れ、ひとつの連絡で心が弾んだ事も、

 

 

日が沈んで、夜道で笑いあった事も、

 

 

うだるような暑さに目が眩んだ朝も。

 

 

全部が特別に思えて仕方ないよ。

 

 

どうしたって全部感傷的に考えて

受け止めてしまうのは夏というフィルターが

あるせいだろうと思う。

 

 

大好きで心弾む季節だが、

夏の空気はあたしを憂鬱にもさせる。

 

 

 

 

思考する。

 

 

脳をフル活用する。

 

 

あたしの中にある語彙全てを持ってしても

この気持ちを表す名前を見つけられない。

 

 

 

見つけなくて良いのかも知れない。

 

 

 

名前をつけるとそれを記憶して

思い出しては苦しくなってしまうし、

 

 

名前なんてつけたところで、

この気持ちが消化されるわけでもないことも

心の隅でちゃんと分かっている。

 

 

 

 

何が特別で、何が特別じゃないとか

そうじゃなくて。

 

 

特別なんかじゃなくても、

きっと特別なんだろうと思う。

 

 

 

 

恋より愛より大事な人がいる。

 

 

 

 

それだけでもう何か全て、どうでもよくなる。

 

 

 

 

 

 

未来が見えたらこんなに悩まないのになと思うけど、

やっぱり見るのは怖い。

 

 

その怖いっていう感情がもう答えみたいなもんだ。

 

 

 

 

センチメンタルになる事が好きだ。

 

 

だからこんな風に想うことしかできない。

 

 

想わなくなったら、あたし何にもなくなっちゃうよ。

 

 

 

人質みたいにしてゴメンね。

 

 

結局は保身のために、手放せないだけなんだと

そう思い知らされるのが怖くて、

ずっと見ないフリをしている。

 

 

 

 

だってそうしなきゃ、

本当に消えてしまいそうで。

 

 

 

この気持ちも、時間も、言葉だって

意味を成さなくなってしまう。

 

 

それに耐えられるほど、強くはない。

 

 

 

 

思考する。

 

 

あたしは特別だろうか。

 

 

君にとっての特別だろうか。

 

 

特別じゃないから、特別なんだろうか。

 

 

 

君は、どう思う?

 

 

 

 

 

夏が終わった。

 

 

秋はセンチメンタルな空気が浮遊する時期だ。

 

 

 

その空気の中を、あたしは泳ぐ。

 

 

溺死しても、それでも良いや。

 

 

死んでも、きっと会いに行くよ。

 

 

 

 

夏の憂鬱さと一緒に。